福岡県感染症発生動向調査情報

第48週分(平成15年11月24日〜11月30日)

インフルエンザ

今年第48週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告がでてきています。そろそろインフルエンザの流行期がやってきます。そこで、今週はインフルエンザについてお話しします。

インフルエンザは、インフルエンザにかかった患者の咳などで空気中に拡散されたウイルスを吸い込むことによって感染します。インフルエンザの潜伏期は、1〜5日で多くは1〜2日と他のウイルス性の病気より短く、急に発病します。これはインフルエンザの流行が急速に拡大する原因の一つです。

インフルエンザの症状がでたら、早めに医師の診断を受け、早めに治療しましょう。体を休めることは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。

発症から48時間以内であれば、インフルエンザウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬による治療を行うことができます。また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなるため、このような細菌の混合感染による肺炎、気管支炎などの合併症に対する治療として抗生物質が使用されます。これらの薬については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や体の状態により異なりますので、使用する、しないは医師の判断となります。

高熱に対して解熱剤を使用する場合がありますが、中にはインフルエンザに罹っているときは使用を避けなければならないものがありますので、自己判断での服用はやめましょう。

医療機関で処方された薬は、医師が患者さんの状態を診察して、その状態に合ったものを必要な量お渡しするものです。したがって別の人に処方された薬はもちろん、当人であっても別の受診時に処方されて使い残したものを使用することは避けるべきです。特に家庭に残っているものを、医師の指示なしに服用するのはやめましょう。

インフルエンザの予防法の代表は予防接種ですが、一般的な予防法としては、次のようなものが重要です。
@栄養と休養を十分に取って、抵抗力を高め感染しにくくする。
A人ごみを避け、病原体であるウイルスを寄せ付けないようにする。
B加湿器などで室内に適度(60〜70%)な湿度を保ち、ウイルスが乾燥した空気中を長時間漂うのを防ぐ。
C外出後の手洗いやうがいを励行する。

これらの感染予防の基本は、しているつもりでも、つい忘れがちになりやすいものですが、続けることが大切です。