福岡県感染症発生動向調査情報

第1週分(平成15年12月29日〜平成16年1月4日)

インフルエンザ

今週第1週の感染症発生動向調査情報では、年末年始中で殆どの疾患の報告数が減少しているため、前週との比較は困難です。その中でもインフルエンザの報告数は増加しています。一定点医療機関あたりの報告数は0.34(前週0.22)、地区別では、北九州が0.59(前週0.16)、福岡が0.35(前週0.33)、筑豊が0.23(前週0.09)、筑後が0.05(前週0.13)となっています。手洗いやうがいといった基本的予防法はいろいろな感染症予防に有効です。引き続き実施しましょう。

インフルエンザは、例年、11月頃から発生し始め、冬になり寒くなると学校などの集団生活の場で流行し、子供を通して家庭にも広がり地域的な流行になります。ただ、冬休みになると長期の学級閉鎖と同じ効果があり下火になります。そして、年末年始の“民族大移動”と共に全国に広まり、学校が始まると再び流行します。

インフルエンザと、普通のかぜとの違いは、ひとことで言えば、インフルエンザでは、突然の高熱、関節痛などの全身症状がみられること、さまざまな合併症がみられるということです。とくに、乳児や高齢者、糖尿病や免疫の機能が低下している人(抗がん剤などの薬のために低下している人も含む)や、心臓・呼吸器に慢性の病気を持つ人の場合は、肺炎や気管支炎などを起こし、重症となることがあります。乳幼児では、中耳炎や高熱による熱性けいれんを起こすこともあります。また、ごくまれに脳炎・脳症で死亡する例もみられます。

インフルエンザを予防するためには、外出後のうがいと手洗いの実行や、睡眠、バランスのとれた食事などが大切です。そして、もしインフルエンザにかかったときは、休養を十分にとることが必要です。できるだけ無理をせず体を休め、睡眠をたっぷりとりましょう。また食事は消化が良く、栄養価の高いものをとりましょう。熱があるときは、水分を多めにとることも忘れないようにしましょう。

インフルエンザに感染しても、症状がはっきりしないまま二次的な細菌感染を合併し、重篤な肺炎を起こすことがあります。「そのうち治るだろう」と判断せずに、早めにかかりつけの医師を受診しましょう。なお医療機関を受診する際には、マスクを着用しましょう。

インフルエンザは唾液の中にウイルスが含まれており、せきやくしゃみでしぶきが飛び散って周囲にうつります。あまりせきやくしゃみがひどいときは、できれば登校や出勤を避け、自宅でゆっくり休みましょう。休養をとることは自分自身の体を守るだけでなく、他の人にもうつさないという意味でも重要です。