福岡県感染症発生動向調査情報

第2週分(平成16年1月5日〜1月11日)

高病原性鳥インフルエンザ

今週第2週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザ、水痘の報告数が増加しています。インフルエンザは全国的には北日本で多く、第52週より流行シーズン(一定点医療機関の報告数が1.0以上)に入ったと考えられます。流行シーズンに入った時期としては例年並みですが、昨シーズンに比べると2週ほど遅くなっています。県内での一定点医療機関あたりの報告数は0.90(前週0.34)、地区別では、北九州が1.18(前週0.59)、福岡が0.96(前週0.35)、筑豊が0.50(前週0.23)、筑後が0.65(前週0.05)となっています。手洗いやうがいといった基本的予防法はいろいろな感染症予防に有効です。引き続き実施しましょう。

さて、79年ぶりに国内で高病原性鳥インフルエンザの発生がありました。そこで、今週は高病原性鳥インフルエンザのお話しをします。

高病原性鳥インフルエンザとは、鳥インフルエンザのうち、感染したトリの死亡率が高い又はウイルスが変化して死亡率が高くなる可能性のある特定のインフルエンザウイルスによるもので、鶏、あひる、七面鳥、うずら等が感染し、神経症状、呼吸器症状、消化器症状等を呈します。ヒトへの感染については、感染したトリとの接触等による感染例が知られていますが、食品(鶏卵、鶏肉)を食べることによるヒトへの感染は世界的にも報告されていません。

これまでに、ヒトへの感染は、香港、オランダ及びベトナムで数十例ほど確認されていますが、ヒトからヒトへの感染についてはオランダで疑わしいとの報告がわずかにあるのみです。またヒトが鳥インフルエンザウイルスの感染を受けるのは、病鳥と近距離で接触した場合、またはそれらの内臓や排泄物に接触するなどの場合です。

ヒトでの予防法として、現時点では鳥インフルエンザに対する有効なワクチンはありませんが、仮にヒトに感染しても、ヒトのA型インフルエンザウイルスの診断に使う迅速診断キットで、鳥インフルエンザウイルスを検出することは可能であり、また、A型インフルエンザウイルスの治療に用いられている抗インフルエンザウイルス薬が、鳥インフルエンザにも効果があるといわれています。

国立感染症情報センターのホームページに鳥インフルエンザに関するQ&Aが掲載されていますのでご紹介します。(http://idsc.nih.go.jp/others/topics/flu/QA040113.html)