福岡県感染症発生動向調査情報

第4週分(平成16年1月19日〜1月25日)

エイズ

今週第4週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数が急速に増加しています。県内での一定点医療機関あたりの報告数は12.04(前週2.77)、地区別では、北九州が8.06(前週2.39)、福岡が14.49(前週3.11)、筑豊が13.27(前週2.77)、筑後が11.23(前週2.53)となっています。県内の学級、学年閉鎖の報告も増加しています。1週間の定点あたりの報告数がインフルエンザ流行発生注意報の基準の10を越えました。今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があります。手洗いやうがいといった基本的予防法はいろいろな感染症予防に有効です。引き続き実施しましょう。

さて、今週は日本において増加が続いているエイズ(後天性免疫不全症候群)について、福岡県での発生の動向などを交えてお話しします。

福岡県においてはエイズ予防対策の一環として、県内におけるHIV感染者等の情報を年2回(1月と7月)公表しております。今回は平成15年7月〜12月末日までの福岡県分をとりまとめました。

前回、平成15年8月1日(平成15年1月〜6月末日分)の公表以後、半年間に新たに報告されたHIV感染者・患者数は感染者6名・患者2名、計8名です。前期分も合わせると、平成15年(1月〜12月)に報告のあったHIV感染者・患者数の合計は13名(感染者8名、患者5名)で、平成13年以降3年連続で10名を上回る報告数となっています。

平成15年に報告のあった感染者・患者の内訳は、性別で男性が13名、女性が0名となっており、感染経路別では同性間の性的接触が多くを占めています。

最近、性器クラミジア感染症をはじめとした性感染症が増加傾向にあり、性感染症に感染していると、HIVに3〜4倍感染しやすくなるといった報告もなされているため、HIV感染の増加につながるのではと危惧されています。

エイズを含めた性感染症は決して他人事ではなく、誰でも感染する可能性があります。そこで、感染を防ぐために日常の中できちんと予防をしていくことが大変重要になってきます。HIV感染の予防のためには、性行為のはじめからコンドームを使用する、不特定多数のパートナーとの性交渉を避けることが大切です。

保健所ではエイズの相談や検査を無料・匿名で受けられます。県内どこの保健所でも相談や検査が受けられますが、保健所によって曜日や時間帯が違うので、事前に電話で確認(予約が必要な場合がある)をしてから行くことをおすすめします。