福岡県感染症発生動向調査情報

第8週分(平成16年2月16日〜2月22日)

麻しん

今週第8週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は各地区で減少しています。県内での一定点医療機関あたりの報告数は26.8(前週35.3)、地区別では、北九州が33.9(前週40.7)、福岡が22.3(前週33.4)、筑豊が32.1(前週39.6)、筑後が24.6(前週30.3)となっています。まだ、インフルエンザ流行発生警報は継続中です。また、感染性胃腸炎が各地区で増加しています。手洗いやうがいといった基本的予防法はいろいろな感染症予防に有効です。引き続き実施しましょう。

今週は、麻しんについてお話しします。

麻しんは麻しんウイルスによって起こり、急性で感染力が強く、現在の日本においてもなお数十名の死亡例が報告されている病気です。感染経路は、主に飛沫による空気感染ですが、感染者の鼻やのどの分泌物に直接触れて感染することもあります。麻しんの合併症としては、肺炎や脳炎・脳症、脳脊髄炎などがあり、発症年齢が低いほど予後が悪いといわれています。

麻しんは、感染力が強く、さまざまな合併症を起こしたり、後遺症を残すことがあるため、予防がとても大切な病気の一つです。麻しんワクチンによる予防効果は95%以上といわれています。現在、麻しんの定期予防接種の対象年齢は1歳から7歳半までとなっていますが、麻しんにかかる人は1歳児がもっとも多く、また、この年齢の麻しんワクチンの接種率は50%と低くなっています。麻しんの予防接種はかかった場合の重症度、感染力の強さから考えると、少なくとも生後12〜15ヶ月に接種することが望ましいとされ、今回、標準接種年齢(病気にかかりやすい年齢を考慮して定められた時期)が生後12〜15ヶ月(以前は生後12〜24ヶ月)に短縮されました。1歳になったらなるべく早い時期に麻しんの予防接種を受けましょう。

また、1歳未満の乳児の場合でも、麻しんが流行しておりかつ集団生活をしている場合は、任意接種を受けた方がよい場合もあるので、心配がある場合は、かかりつけ医にご相談ください。

平成16年3月1日(月)から3月7日(日)までの1週間、一類疾病の予防接種の接種率向上を図ることを目的として、日本医師会と日本小児医会の主催で「子ども予防接種週間」が実施されます。一部の医療機関では3月6日(土)、7日(日)に予防接種の実施をします。実施医療機関等の情報については、最寄りの医療機関へお問い合わせ下さい。