福岡県感染症発生動向調査情報

第12週分(平成16年3月15日〜3月21日)

結核の予防接種

今週第12週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告数は各地区で減少しています。県内での一定点医療機関あたりの報告数は3.5(前週6.4)です。福岡県内では、今シーズンはA香港型及びB型ウイルスが分離されています。この様に異なるウイルスが検出されたときには、1回かかっても、もう一つのウイルスに感染し、再びかかることがありますので、油断しないようにしましょう。また、感染性胃腸炎の報告数もやや減少しています。手洗いやうがいといった基本的予防法はいろいろな感染症予防に有効です。引き続き実施しましょう。

今週は結核の予防接種(BCG)についてお話します。

現在は、結核予防法に基づき、4歳未満で、ツベルクリン反応検査が陰性の人にBCGが定期接種として行われています。結核は、現在では治療薬もあり、早期に発見し適切な治療を行えば治る病気ですが、乳幼児が結核に感染した場合は、結核性髄膜炎や粟粒結核など深刻な症状を呈することがあります。

BCGは、乳幼児の結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症結核の発病・重症化防止に極めて有効とされていますので、生後3ヶ月以降できる限り早い時期にBCG接種を受けることをおすすめします。

接種時の注意として、接種日は接種部位が隠れるような袖丈の洋服を着せていきましょう。BCGは日光に弱いため、接種後は日陰で乾かし、完全に乾いてから袖をおろし、日光があたらないようにします。また、接種当日は、入浴は可能ですが、接種部位をゴシゴシ擦ったりしないようにしましょう。

接種後10日頃に接種局所に赤いポツポツができ一部に小さくうみをもったりします。この反応は接種後4週間頃に最も強くなりますが、その後はかさぶたができて接種3ヶ月までにはなおり、小さなきずあとが残るだけになります。これは異常反応ではなく、BCGがついた証拠です。包帯をしたり、絆創膏をはったりしないで、そのまま普通に清潔を保ってください。自然になおります。ただし、接種後3ヶ月を過ぎても接種の後がジクジクしているようなときは医師に診てもらってください。人によっては、わきの下のリンパ節が腫れてしこりができることがあります。化膿やリンパ節の腫れが強い場合は、かかりつけ医などに相談しましょう。

また、ケロイドになりやすい体質の人は、接種前にかかりつけ医や接種医によく相談してから接種を受けましょう。