福岡県感染症発生動向調査情報

第25週分(平成16年6月14日〜6月20日)

咽頭結膜熱(プール熱)

今週第25週の感染症発生動向調査情報では、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナなどの夏に多い感染症が増加しています。

プール開きの時期がやってきました。そこで、今週は、現在報告が増加している咽頭結膜熱についてお話しします。

咽頭結膜熱は、例年6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月に発生のピークを示す、主に小児にみられる急性ウイルス性感染症です。プールでの感染が多くみられることから「プール熱」とも呼ばれています。

5〜7日の潜伏期の後、発熱と、のどの痛み、耳の周りや首のリンパ節の腫れが出現します。また、目が充血して涙や目やにが多く出たり、目が痛んだりします。目の症状は片方の目から始まり、両方の目に広がります。高熱やのどの痛みなどの症状は普通3〜5日間程度で治り、一般的に予後は良好です。ただし、心肺機能等に基礎疾患をもつ小児等では、重症化する危険性があり注意が必要です。特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。眼の症状が強い場合は、眼科での治療が必要になることもあります。

感染経路は、プールを介した場合には、塩素消毒が不十分でウイルスに汚染された水から結膜への直接侵入と考えられています。しかし、最近はプールの衛生管理が良くなったため、プールで感染することより、咳やくしゃみなどの飛沫やウイルスのついた手やタオルなどを介して感染することの方が多くなりました。予防のためには普段からうがいや手洗いを行い、タオルやハンカチを共有することを避けることが大切です。また、プールを介しての感染に対しては、水泳前後のシャワーなど一般的な予防方法の励行が大切です。

なお、学校保健法により、主な症状がなくなった後2日を経過するまで出席停止とされています。ただし、病状により学校医その他の医師において、伝染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません。