福岡県感染症発生動向調査情報

第28週分(平成16年7月5日〜7月11日)

熱中症

今週第28週の感染症発生動向調査情報では、O157等の腸管出血性大腸菌感染症の報告が続いています。また、咽頭結膜熱が再び増加しています。風しんが、筑豊地区で多く報告されています。

梅雨も空け、毎日暑い日が続いています。最近、新聞でも熱中症患者の発生をよく目にします。そこで、今週は熱中症についてお話しします。

熱中症は、一般的に高温多湿で、汗が蒸発しにくい環境下での運動や屋外作業での労働などにより、体温調節や循環機能などの働きに障害が起こる病気です。症状などにより分類されていますが、その代表的なものは、熱射病(日射病)です。全身倦怠、脱力感、激しいのどの渇き、頭痛、発熱、おう吐、めまい、けいれん、突然の意識障害などの症状がみられ、重症の場合は死亡の危険もあります。

ヒトは、水分の摂取と排せつにより、体内の水分バランスを保っていますが、汗などで体外へ出ていく水分量は、通常でも1日の排泄量の約40%にも達します。夏場は特に増えるため、飲料水を十分に補給しないと、バランスが崩れ熱中症の引き金となります。なお、多量の発汗に対し水分のみを摂取すると、電解質が不足して、けいれんが起こりやすくなります。汗をかいたときは、冷たい食塩水、あるいはスポーツドリンクなどを飲みましょう。

また、体温が40℃以上に上昇したり、意識障害、けいれん、呼吸困難、汗がでない、皮膚が乾燥し赤みを帯びて熱感がある、などの症状がでた場合は重症です。すぐに医療機関に連れていきましょう。

予防のためには、以下のことに注意しましょう。
(1)暑い季節の運動や作業は、なるべく涼しい時間帯に行い、長時間にわたる場合には、こまめに休憩をとりましょう。
(2)こまめに水分や塩分を補給しましょう。
(3)軽装にして、素材も吸湿性や通気性のよいものを選び、直射日光は帽子で避けましょう。
(4)体調が不良の方、高齢や肥満の方、暑さに弱い方などは、熱中症にかかりやすいので、特に注意しましょう。
(5)乳幼児を車内に置いて、車から離れることは絶対にやめましょう。