福岡県感染症発生動向調査情報

第31週分(平成16年7月26日〜8月1日)

食中毒

第31週の感染症発生動向調査情報では、百日咳の報告がやや増えてきています。例年並みではありますが、O157等の腸管出血性大腸菌感染症の報告が続いています。

8月は、食品衛生月間です。そこで、今週は食中毒についてお話しします。

食中毒は、細菌、ウイルス、毒物などが含まれた食品を、食べたり飲んだりして起こる中毒症の総称です。8月に最も多く発生しており、サルモネラ属、カンピロバクター属、O157などの細菌や、ノロウイルスなどのウイルス、キノコなどの自然毒による報告が多く見られます。福岡県においても昨年1年間で、計47件、1031人の患者さんが報告されています。

食中毒が発生する場所としては、飲食店の次に多いのが家庭です。そこで、家庭でできる食中毒予防を、食事作りの流れに沿い6つの段階にわけてみました。

1 食品の購入
・生鮮食品など、冷蔵や冷凍などの温度管理を必要とする食品の購入は、買い物の最後にする。
・購入したら早めに帰る。

2 家庭での保存
・冷蔵庫に保管する肉や魚などは、ビニール袋や容器に入れ、他の食品に肉汁などがかからないようにする。
・肉、魚、卵などは、取り扱う前と後に必ず手を洗う。

3 下準備
・まず、手洗いをする。
・生の肉や魚などの汁が、果物やサラダなど生で食べるものや、調理の済んだ食品にかからないよう注意する。
・生の肉や魚を切った包丁・まな板は、洗ってから熱湯をかけたのち使う。
・冷凍食品は、室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるので、解凍は冷蔵庫の中や電子レンジを利用する。

4 調理
・加熱して調理する場合、食品中心部の温度が75度以上になるように、また1分間以上加熱する。

5 食事
・調理後の食品を、室温に長く放置しないようにする。
・食事の前には、手を洗う。 

6 残った食品
・残った食品は、早く冷えるように浅い容器に小分けして保存する。
・時間が経ち過ぎたら、思い切って捨てる。

お年寄りや子ども、特に乳幼児は、食中毒にかかると重症になりやすいので、注意が必要です。