福岡県感染症発生動向調査情報

第41週分(平成16年10月4日〜10月10日)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

第41週の感染症発生動向調査情報では、RSウイルス感染症の報告が増加してきました。手足口病は4週連続で再増加しています。

今週は、例年秋から増え始め、冬から初夏にかけて多く報告され、現在も増加傾向にあるA群溶血性レンサ球菌咽頭炎についてお話しします。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、患者の唾液、鼻汁などが飛散することによって、鼻や咽喉から感染します。また食品や飲料水を介しての感染や皮膚の創傷部(外傷、やけど等)からの感染もあります。

症状は、のどに炎症が起こって赤くなり、それに強い痛みを伴うことが多く、そのために物を飲み込みづらくなります。また発熱(38.5℃以上)があり、さらに吐き気を伴う場合があります。のどに化膿が起こらなければ、3〜4日で熱も下がり1週間程度でなおる病気です。

治療としては、ペニシリンなどの抗生物質がよく効きます。しかし、咽頭炎が治った後、遅れてリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症が起こることがあります。そのため、症状がおさまっても、少し長めに薬を飲む必要がありますので、自己判断で中断したりせず、医師の指示に従いましょう。

人への感染性は発症初期に最も強く、その後徐々に減弱します。よって、予防としては、発症初期の患者との濃厚接触をさけることと、うがい、手洗いなどの一般的な予防が重要です。ただし、適切な抗生物質による治療を受ければ1日程度で、他の人への感染力は低くなります。

また、同じA群溶血性レンサ球菌により引き起こされる疾患で、劇症型溶血性レンサ球菌感染症があります。日本において、現在までに200人を超える患者が確認されており、そのうち約3割の方が亡くなるといった致死率の高い感染症です。子どもから大人まで広範囲の年齢層に発症しますが、50〜60歳台に多く報告されています。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症の症状としては、突然の高熱、四肢の疼痛、腫脹、血圧低下などで、発病から病状の進行が非常に急激で、発病後、数十時間以内には多臓器不全等を引き起こしショック状態となります。早期の治療が重要で、抗生剤、免疫グロブリン等が投与されます。