福岡県感染症発生動向調査情報

第43週分(平成16年10月18日〜10月24日)

インフルエンザの予防接種

第43週の感染症発生動向調査情報では、RSウイルス感染症の報告が増えています。また、まだ流行までには至っていませんが、インフルエンザの報告が出てきました。

さて、今週は、そのインフルエンザの予防接種についてお話しします。

インフルエンザウイルスは、A、B、Cの3型に分けられていますが、このうち流行するのはA型とB型です。現在は、A型のH1N1とH3N2およびB型の3種類のインフルエンザが毎年流行しており、インフルエンザワクチンはこの3種類の混合ワクチンとなっています。わが国では、世界各地および日本国内の流行情報、WHO(世界保健機関)によるワクチン推奨株、国内外のウイルス分離状況などに基づいて、次シーズンの流行ウイルスを予測し、毎年、使うウイルス株を決定します。

インフルエンザの予防の基本は、適切な栄養、睡眠をとること、そして、流行前に予防接種を受けることです。インフルエンザは、予防接種法に定められており、予防接種法で規定された対象者は、次のとおりです。

@ 65歳以上の高齢の方
A 60歳以上65歳未満であって、 心臓、腎臓、または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活行動が極度に制限される程度の障害を有する方及び ヒト免疫不全ウイルス(HIV)により、免疫の機能に日常の生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方

これらの方々は、本人の希望により予防接種を受けることができ、万一副反応が生じた際にも予防接種法に基づいて救済が行われます。上記以外の方々は、任意接種となります。

インフルエンザワクチンの効果については、国内外で研究が行われており、特に高齢者では、予防接種を受けない場合に比べて、死亡が約2割、入院が約5割に減ると報告されています。

例年、インフルエンザは12月下旬から流行が始まり、1〜2月にかけてピークを迎え、3月上旬ごろまで流行します。ワクチンを接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われています。一般的に、10月下旬から12月初旬に、遅くとも12月中旬までに予防接種をすませましょう。