福岡県感染症発生動向調査情報

第46週分(平成16年11月8日〜11月14日)

性器クラミジア感染症 
〜性の健康週間(11月25日〜12月1日)〜

第46週の感染症発生動向調査情報では、咳や鼻汁などのかぜ症状をおこすRSウイルス感染症の報告が増えています。インフルエンザの報告は、筑後、筑豊地区で再度やや増加しました。まだ流行の域には達していません。

さて、11月25日〜12月1日は性の健康週間です。そこで、今週は性感染症の中でも報告数の多い性器クラミジア感染症についてお話しします。

性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマチスという病原体の感染によって引き起こされます。若年層の女性に多く、29歳以下では、男性患者数を上回っています。性行為による感染以外に、感染した妊婦から新生児への産道感染があります。また、口腔性交による咽頭への感染も報告されています。

潜伏期間は2〜3週間で、男性では、尿道炎が最も多く、排尿痛、尿道不快感、掻痒感などの自覚症状があります。また若年の精巣上体炎の原因ともされています。一方、女性では、子宮頚管炎、骨盤内付属器炎などを起こし、不妊の原因ともなります。下腹部の痛みや帯下(おりもの)の増加などが見られますが、一般に自覚症状が乏しく、そのため受診、診断が遅れることがあり、注意が必要です。また妊婦の感染は、新生児のクラミジア産道感染の原因となり、新生児肺炎や結膜炎を起こします。

治療には、抗菌薬が使用されますが、男女間でお互いに感染させるピンポン感染があるため、両者の治療を同時に行うことが重要です。

性感染症はコンドームを適切に使用することで多くは予防できます。大切なことは、誰でも感染する可能性があることを理解し、自らが感染を予防することです。 

保健所では性感染症の相談やエイズの検査が無料で受けられます。一部の保健所では梅毒やクラミジアの検査も行っています。県内すべての保健所で相談や検査が受けられますが、保健所によって検査の曜日や時間帯が違うので、事前に電話で確認をして行くことをおすすめします。