福岡県感染症発生動向調査情報

第53週分(平成16年12月27日〜平成17年1月2日)

インフルエンザ その1

第53週の感染症発生動向調査情報では、年末年始の影響もあり、ほとんどの疾患の報告数が減少しています。

インフルエンザの発生は、通常、11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1〜2月頃に患者数が増加し、3〜4月頃に減少するというパターンを示します。そこで、今週はインフルエンザについてお話します。
 
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる感染症で、症状は、突然の38〜39℃を超える発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などに加え、鼻水、咽頭痛、咳などの上気道炎症状や全身倦怠感です。インフルエンザの流行期にこれらの症状があった場合は、インフルエンザの可能性が高いと思われます。潜伏期は、1日から5日(平均3日間)とされています。大多数の人では、特に治療を行わなくても1〜2週間で自然治癒します。しかしながら、乳幼児、高齢者、呼吸器や心臓などに慢性の病気をもつ人では、気管支炎、肺炎などを併発するなど重症化することがあり、最悪の場合、死にいたることもあります。近年、小児がインフルエンザにかかると、まれに急性脳炎を起こして死亡するといった問題も指摘されています。

インフルエンザは、インフルエンザにかかった人の咳、くしゃみ、つばなどの飛まつと共に放出されたウイルスを、鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れていたり、睡眠不足の人は、人ごみや繁華街への外出を控えましょう。

空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下するため、インフルエンザにかかりやすくなります。外出時にはマスクを利用したり、室内では加湿器などを使って適度な湿度(50〜60%)を保ちましょう。十分に休養をとり、体力や免疫力を高め、常日頃からバランスよく栄養をとることも大切です。手洗いも、一般的な感染症の予防としておすすめします。

インフルエンザに感染しても、症状がはっきりしないまま二次的な細菌感染を合併し、重篤な肺炎を起こすことがあります。「そのうち治るだろう」と判断せずに、できるだけ早めにかかりつけの医師を受診しましょう。なお医療機関を受診する際には、マスクを着用しましょう。

次回は、インフルエンザの治療等についてお話しします。