福岡県感染症発生動向調査情報

第8週分(平成17年2月21日〜平成17年2月27日)

マスクとエチケット

第8週の感染症発生動向調査情報では、インフルエンザの報告が前週を越えてさらに増加しています。インフルエンザの発生状況(県内198医療機関)は、今回、1医療機関あたりの1週間の報告数が、58.67件となりました。これは、過去5年間で最も多く、過去10年でも、1998〜99年シーズン、1997〜98年シーズンに続いて3番目に多い報告数となっています。引き続きインフルエンザへの注意が必要です。

さて、前回は、感染予防としての「手洗い」についてお話ししましたが、今回は、「マスク」についてお話しします。

マスクは、大正11年にスペインかぜ(インフルエンザ)が流行した時に、予防のために効果的な方法として勧められ、一般的に広く使用されるようになったと言われています。

空気が乾燥すると、のどの粘膜機能が低下するため、インフルエンザにかかりやすくなります。一般のマスクはインフルエンザウイルス等を完全に防ぐことはできませんが、着用することにより、のどにあたる空気の湿度が保たれ、粘膜の抵抗力を保つことができるという利点があります。

咳やくしゃみによって飛ぶ「飛沫」には、ウイルスや細菌などの病原体が水分に包まれた形となっています。患者さん自身がマスクを着用することで、咳やくしゃみによって飛ぶ「飛沫」を抑え、周囲への感染を防ぐことができます。咳などの症状が続いている時に、人のいるところで、咳やくしゃみをする際には、必ずハンカチやティッシュで口元を覆う、あるいはマスクをするなど、周囲への配慮(レスピラトリー・エチケット)を心がけましょう。

インフルエンザにかかったときには、どの病気においても共通することですが、早めに治療し、体を休めることが大切です。そのことで、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないことにもなります。単なるかぜと軽く考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。そして、その際に咳などの呼吸器症状がある場合は、必ずマスクを着用するようにしましょう。