福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第1週分(平成18年1月2日〜平成18年1月8日)

インフルエンザにかかったら!

平成18年第1週の感染症発生動向調査情報では、正月に伴う医療機関の休診にも関わらずインフルエンザの報告数が、さらに増加しました。県内全地区から報告されていますが、特に北九州地区からの報告が目立っています。

そこで、今週は、インフルエンザの治療などについてお話します。

インフルエンザの治療は大きく分けて、安静・睡眠といった基本的な療養のほかに、抗ウイルス薬による治療、熱や咳などさまざまな症状を抑える対症療法があります。

インフルエンザウイルスそのものに対する治療としては、抗インフルエンザウイルス治療薬があります。この治療薬で効果を得るには、症状出現後、48時間以内に服用を開始する必要があります。

インフルエンザには、抗生剤は効きません。しかし、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなり、このような細菌の感染による肺炎や気管支炎などの合併症に対する治療として、抗生剤が使用されることがあります。 

これらの薬を使用するか、しないかは、医師の判断となりますので、十分に医師に相談することが重要です。

なお、いわゆる「かぜ薬」と言われるものは、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。

発熱に対する対症療法として、解熱剤が使われることがありますが、解熱剤には、インフルエンザ患者への投与により、ライ症候群やインフルエンザ脳症の発症との関連が指摘されているものもあります。別の人に処方された薬や、当人用のものであっても別の受診時に処方されて使い残したものを使用することは避けるべきです。また、市販の解熱鎮痛薬の一部にも避けなければならない成分を含んだものもありますので、自己判断せず、使用時にはかかりつけの医師によく相談してください。

インフルエンザにかかったときには、どの病気においても共通することですが、早めに治療し、体を休めることです。そのことで、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないことにもなります。次の点に注意しましょう。

・単なるかぜと軽く考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
・安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
・水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。
・咳やくしゃみをする際には、必ずハンカチやティッシュで口元を覆う、あるいはマスクをするなど、周囲への配慮が望まれます。