福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第11週分(平成18年3月13日〜平成18年3月19日)

先天性風しん症候群

今回は、特に、これから妊娠を予定している女性に注意が必要な、先天性風しん症候群についてお話しします。

妊婦とくに、妊娠初期の女性が風しんにかかると、胎児が風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。これらの障害を先天性風しん症候群といいます。先天性風しん症候群をもった赤ちゃんが、これらすべての障害をもつとは限らず、これらの障害のうちの1つか2つのみを持つ場合もあります。

先天性風しん症候群は、妊娠中の感染時期が早いほど、おこりやすく、また障害が生じやすくなります。ただし、先天性風しん症候群の発生は、遅くとも妊娠5ヶ月までの感染に限られ、妊娠後半期の感染で生じた報告は現在のところありません。

先天性風しん症候群の予防のためには、風しんワクチンを受けることが重要です。国民全体の風しんワクチンの接種率が上がることによって、風しんの流行そのものが抑えられ、妊婦以外の方が妊婦等に風しんをうつすことを予防できます。

女性で、風しんに感染したことがない方や予防接種を受けたことがない方、よく覚えていない方は、妊娠前にかかりつけの医療機関で風しん抗体検査を受けることをお勧めします。そして、抗体を持っていない女性は、妊娠していないことを必ず確かめて、風しんワクチンの予防接種を受けましょう。妊娠中は風しんの予防接種をうけることはできませんし、また風しんワクチン接種後は、最低2ヶ月間は避妊しなければいけませんので、医療機関とも十分相談してください。