福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第13週分(平成18年3月27日〜平成18年4月2日)

咽頭結膜熱

今週は、咽頭結膜熱についてお話しします。

咽頭結膜熱は、例年6月頃から徐々に増加しはじめ、7〜8月に発生のピークを示す、主に小児にみられる、急性ウイルス性感染症です。以前は、プールでの感染が多くみられたことから「プール熱」とも呼ばれています。

5〜7日の潜伏期の後、発熱と、のどの痛み、耳の周りや首のリンパ節の腫れが出現します。また、結膜炎に伴う目の充血、痛みなどがあります。目の症状は、片方の目から始まり、両方の目に広がります。高熱やのどの痛みなどの症状は、普通3〜5日間程度で治り、一般的に予後は良好です。ただし、心肺機能等に基礎疾患をもつ小児等では、重症化する危険性があり注意が必要です。眼の症状が強い場合は、眼科での治療が必要になることもあります。

感染経路は、プールを介した場合には、塩素消毒が不十分でウイルスに汚染された水から結膜への直接侵入と考えられています。しかし、最近はプールの衛生管理が良くなったため、プールで感染することより、咳やくしゃみなどの飛沫やウイルスのついた手やタオルなどを介して感染することの方が多くなりました。予防のためには普段からうがいや手洗いを行い、タオルやハンカチの共有を避けることが大切です。また、プールを介しての感染に対しては、水泳前後のシャワーなど一般的な予防方法の励行が大切です。