福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第25週分(平成18年6月19日〜平成18年6月25日)

マイコプラズマ肺炎

今週は、例年と比べるとやや多く報告されており、報告数が少し増えたマイコプラズマ肺炎についてお話しします。

マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマという病原体の感染によって起こります。以前は4年ごとオリンピックの年に流行するとされていましたが、最近はそのような周期性は見られなくなっています。1年を通して、また、幼児期、学童期、青年期を中心に多くみられます。

患者の鼻やのどからの分泌物に直接触れたり、飛沫を吸い込んだりすることにより感染します。

症状としては、2〜3週間の潜伏期のあとに、発熱、頭痛、倦怠感、咳などの症状が見られます。当初は、痰を伴わない咳で、経過に従い、徐々に強くなり、解熱後も3〜4週間と長く続くことがあり、痰を伴う咳となることが多いようです。肺炎にしては、比較的元気なことや、頑固で長期にわたる咳と胸痛が特徴です。

治療は、有効な抗生物質があり、一般的に予後は良好で、比較的軽症に経過します。しかし、重症肺炎や呼吸器以外に発疹、脳炎などの合併症が見られることがあり、また、気管支喘息の発症や誘発に関与することがあると言われており、注意が必要です。ワクチンなど特異的な予防方法はありませんが、流行している時には、手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行と、患者との濃厚な接触は避けましょう。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。