福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第38週分(平成18年9月18日〜平成18年9月24日)

骨髄バンク推進月間

毎年10月は、「骨髄バンク推進月間」です。そこで、今回は、感染症ではないのですが、骨髄移植についてお話します。

「骨髄」とは、硬い骨の内部にあるスポンジ状の組織です。そこは骨髄液で満たされており、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞のもとになる造血幹細胞が含まれます。背骨の中を通っている「脊(せき)髄」とは別のものです。

骨髄移植とは、病気(特に白血病や再生不良性貧血などの血液疾患)により正常な造血が行われなくなった患者さんの骨髄を健康な人(ドナー)から提供された骨髄に置き換えて病気を根本的に治そうとする治療法です。実際にはドナーの腸骨(腰の骨)から骨髄を採取し、その骨髄液を通常の輸血と同じように点滴で患者さんの静脈へ注入することにより移植が行われます。

日本の「骨髄バンク事業」は、国の主導のもと、骨髄移植推進財団が主体となり日本赤十字社及び地方自治体の協力により1992年から開始され、これまでに多くの患者さんを救う実績をあげてきました。骨髄バンクへの登録は約2mlの採血ですみ、県内では、赤十字血液センター、献血ルーム、嘉穂保健福祉環境事務所の計6ヶ所で受け付けています。

骨髄移植を行うにはHLAと呼ばれる白血球の型が一致する必要があり、兄弟姉妹の間では4分の1の確率で一致しますが、親子間では、まれにしか一致しません。また、非血縁者間での一致する確率は、数百から数万分の1とされてます。

平成18年7月末現在、全国で約25万人の方が、骨髄バンクに登録していただいていますが、日本で骨髄移植を必要とする患者さんは、現在3千人以上もおられ、まだドナー候補者が見つからない患者さんも多く、さらなる登録者の増加が望まれます。

福岡県では、きたる10月9日(月・祝)から15日(日)までの1週間、福岡市中央区大名の紺屋町商店街にあるエンジョイスペース大名を会場にして、骨髄バンク推進キャンペーンを開催し、パネル展、チャリティーライブ、ドナー登録会などを実施することにしています(*ライブ、ドナー登録会は、9、14、15日のみ)。是非、この機会に、骨髄バンクについてご理解いただき、多くの方々がドナー登録していただければと思います。ドナー登録又はキャンペーンのお問い合わせは、福岡県健康対策課(092-651-1111 内線3125)まで。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。