福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第2週分(平成19年1月8日〜平成19年1月14日)

高病原性鳥インフルエンザ

さて、先日、国内で高病原性鳥インフルエンザの発生がありました。そこで、今週は高病原性鳥インフルエンザのお話しをします。
 
インフルエンザウイルスは、自然界においてカモ、アヒルなどの水鳥を中心とした多くの鳥類に感染します。それを鳥インフルエンザといいます。また、鳥インフルエンザのなかでも、ニワトリ、カモなどが死亡してしまう重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。

鳥インフルエンザウイルスは、通常ヒトに感染することはありませんが、近年、インドネシア、エジプト、中国、トルコ等で、ヒトにおける高病原性鳥インフルエンザ発症事例が報告されています。

日本では、この病気にかかった鶏等が徹底的に処分されており、通常の生活で病気の鳥と接触したり、フンを吸い込むようなことはあまりないことから、鳥インフルエンザに感染する可能性はきわめて低いと考えられます。また、これまで、鶏肉や鶏卵を食べることによって、ヒトが鳥インフルエンザに感染したという報告は世界的にもありません。

飼っている鳥が死んでしまった場合、原因は様々あり、鳥が死んだからといって直ちに鳥インフルエンザを疑う必要はありません。鳥インフルエンザにかかった鶏は、次々に死んでいくということが知られていますので、原因が分からないまま、鳥が次々に連続して死んでしまうということがない限り、鳥インフルエンザを心配する必要はありません。原因が分からないまま、鳥が連続して死んでしまったという場合には、その鳥に素手で触ったり、土に埋めたりせずに、なるべく早く、獣医師、家畜保健衛生所又は保健所にご相談下さい。

また、野鳥が死んでいるのを見つけた場合には、野鳥はどのような病原体を保有しているか分からないことから、手袋またはビニール袋等を利用し、死亡野鳥に素手で直接触れないようにしましょう。死亡した鳥は、ビニール袋に入れてきちんと封をして廃棄物として処分することが可能です。このような場合に直ちに相談していただく必要はないと考えられますが、不安な場合には、市町村、獣医師、家畜保健衛生所又は保健所にご連絡下さい。死亡野鳥に触れた場合は、うがいや手洗いを励行しましょう。また、発熱等の健康状態の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診し、死亡野鳥との接触の機会があったことを医師に伝えてください。


その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。