福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第11週分(平成19年3月12日〜平成19年3月18日)

ロタウイルス感染症

今週は、感染性胃腸炎の原因ウイルスの一つであり、現在、報告が多いロタウイルス感染症についてお話しします。

近年、冬季に流行する感染性胃腸炎の原因ウイルスとして、流行の前半(11月から12月)には、ノロウイルスが、後半(2月から4月)には、このロタウイルスが主に検出されています。ロタウイルスによる胃腸炎は、主に0歳から1歳を中心に流行がみられます。また、保育所、幼稚園、小学校などの小児や、病院、老人ホーム、福祉施設などの成人における集団発生も報告されています。

潜伏期は1日から3日で、主な症状は、頻回の嘔吐と下痢です。下痢は白色から黄白色で水様性、一日に十数回も出ることがあります。また、発熱や咳、鼻汁などを呈する場合もあります。通常は、予後良好ですが、まれに肝障害、けいれん、急性脳炎を伴うことがあります。治療は、頻回の下痢や嘔吐によって起こる脱水に対する水分補給が中心です。

患者の便とともにウイルスが排出され、人の手などを介して経口感染します。またウイルスに汚染された水、食物、おもちゃなどを介して感染することもあります。その他、気道分泌物や鼻水等にも少量のウイルスが含まれているとの報告もあります。発病後、約1週間は、患者便中にウイルスが検出され、その期間は感染源となります。

感染予防のために、排便後やオムツ交換後、調理や食事前に十分手洗いをすることが大切です。また、手洗いが不十分だと、タオルを共有することで、感染が広がることがありますので、家族内で下痢等の症状がある方がいる場合は、タオルを別にする等、特に注意しましょう。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。