福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第21週分(平成19年5月21日〜平成19年5月27日)

百日咳

今週は百日咳についてお話しします。百日咳は、百日咳菌によって起こる急性の気道感染症です。患者の咳などによって出され た分泌物を吸い込んだり、接触したりすることによって感染します。

通常7日間の潜伏期のあと、かぜ様の症状で始まりますが、合併症がない限り熱はなく、次第に咳がひどくなり、特徴的な咳が出始めます。この咳き込みは、顔を真っ赤にして、コンコンと激しく咳込み、最後にヒューッと音を立てて大きく息を吸う発作で、これを何回も繰り返すようになります。しばしば嘔吐を伴います。咳は夜間に多く、咳の発作と発作の間は熱もなく健康な状態とあまり変わりありません。顔がむくんだり、顔面に点状の出血が見られることもあります。その後次第に軽快し、通常発症後6から8週間で治ります。

ただし、乳児では肺炎や脳炎を併発し重症になることがあり、特に新生児がかかると無呼吸となり致死的となることがあるので注意が必要です。

治療としては、早期に抗菌薬を開始すれば、症状を軽くしたり、短くしたりすることができますが、特有の咳が出る時期になると症状の軽減は期待できません。また、十分な水分補給も必要です。

予防としては、乳幼児へのワクチン接種が大切で、DPTワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風の三種混合ワクチン)があります。生後3ヶ月になったら、かかりつけ医と相談の上、できるだけ早めに接種しましょう。

 
その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。