福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第26週分(平成19年6月25日〜平成19年7月1日)

手足口病

今週は、年明けから例年と比べ多く報告され、一旦は減ったのですが、夏を迎え報告数が増加している手足口病についてお話しします。

手足口病は、エンテロウイルス71型、コクサッキーウイルスA16型等のウイルスによって引き起こされる急性ウイルス感染症で、幼児を中心に、通常は、初夏から初秋にかけて流行がみられます。

3から5日間の潜伏期をおいて、症状は、その名が示すとおり、手のひら、足のうら、口唇、頬の内側、舌などに2から3ミリの水疱ができます。かゆみなどを伴うことはまれです。発熱は軽度であり、38度以下のことがほとんどです。通常は、3から7日の経過で改善し、水痘(水ぼうそう)などと違い、水疱の部分に、かさぶたができることもありません。

このように基本的には、予後は良好な疾患ですが、まれに無菌性髄膜炎や脳炎などの合併症を起こす場合があり、重症の脳炎では死亡する場合があります。このため、特に、元気がない、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの症状が合わせてみられたときは、それら合併症の可能性がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。

また、口の中の粘膜などに水泡ができ、それが破れると痛みを伴うことがあるために、食事が十分にとれず、水分不足になることがありますので、この様な時は、刺激が少なく、くちあたりのやわらかい食べ物や飲み物を取り、脱水を起こさないように気をつけましょう。

人から人への感染は、口の中の病変からの飛沫、便からの経口感染、水疱の内容物との接触によるものがあります。便中へのウイルスの排泄は、長期間にわたり、症状が消失したあとも2から4週間にわたり続くことがありますので、排便後、おむつ交換後、水疱との接触後、また、食事や調理前には、十分手洗いすることを心がけましょう。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。