福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第28週分(平成19年7月9日〜平成19年7月15日)

熱中症

暑くなってきました。今週は、感染症ではありませんが、熱中症についてお話しします。

熱中症は、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスがくずれ、また体温の調節機構が破綻するなどの原因で起こります。全身倦怠、脱力感、激しいのどの渇き、頭痛、発熱、おう吐、めまい、けいれん、突然の意識障害などの症状がみられ、重症の場合は死亡の危険もあります。例年、梅雨明けの7月下旬から8月上旬に多発します。暑さにも慣れが必要で、急に暑くなる日や久しぶりに暑い環境で活動した場合に多く発生する傾向があります。

ヒトは、水分の摂取と排せつにより、体内の水分バランスを保っていますが、尿や便以外に、汗などで体外へ出ていく水分量は、通常でも1日の総排泄量の約40%にも達します。夏場は特に増えるため、飲料水を十分に補給しないと、バランスが崩れ熱中症の引き金となります。なお、多量の発汗に対し水分のみを摂取すると、電解質が不足して、けいれんが起こりやすくなりますので、その際には、冷たい食塩水、あるいはスポーツドリンクなどを飲みましょう。

また、体温が高い、意識がない、けいれん、呼びかけに対し返事がおかしい、真直ぐに歩けない・走れないなどの症状がある場合は重症です。すぐに医療機関に連れていきましょう。

熱中症が起きやすい環境は、気温が高いとき、日差しが強いときですが、湿度が高いとき、風が弱いときには、より注意が必要です。予防のためには、以下のことに注意しましょう。

(1)暑い季節の運動や作業は、なるべく涼しい時間帯に行い、長時間にわたる場合には、こまめに休憩をとりましょう。
(2)こまめに水分や塩分を補給しましょう。
(3)軽装にして、素材も吸湿性や通気性のよいものを選び、直射日光は帽子等で避けましょう。
(4)体調が不良の方、高齢や肥満の方、暑さに弱い方などは、熱中症にかかりやすいので、特に注意しましょう。
(5)乳幼児を車内に置いて、車から離れることは絶対にやめましょう。


その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。