福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第35週分(平成19年8月27日〜平成19年9月2日)

流行性角結膜炎

今週は現在報告が増えている流行性角結膜炎についてお話します。

この病気はアデノウイルスの感染によって起こる結膜炎で、俗に「はやり目」と呼ばれています。アデノウイルスにもいろいろなタイプがあり、かぜのような症状を起こすものや、気管支炎や咽頭炎を起こすもの、乳幼児の下痢を起こすものなどがあります。

発生は夏季に多くみられ、20歳以上の大人の割合が約7割を占めています。

潜伏期は、1から2週間程度で、目やに、涙、結膜の充血が見られます。多くは、片方の眼から発症し、他方にも波及します。まぶたや眼の周りが腫れたり、痛みやまぶしさ、眼がかすむ、耳のあたりのリンパ節が腫れるなどの症状も見られます。また、同時に軽度の発熱や、頭痛、食欲不振などがみられることがあります。

結膜炎は多くの場合、2から4週間程度でよくなります。しかし、角膜に炎症がすすんで、角膜の混濁によるかすみ眼が続いたりすることがあります。

流行性角結膜炎は感染力が強い病気で、患者の眼から出る分泌物に触れ、それが眼に入ることにより感染します。したがって感染の広がりを防ぐためには、患者さんは、自分の専用のタオルを使い、眼をふいたティッシュペーパーなどは放置せずに、きちんと捨てるようにしましょう。また周りの方で、患者の眼の分泌物などに触れた場合は、流水を使い、充分手洗いをし、タオルや洗面器を共有しないことが大切です。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。