福岡県保健環境研究所
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
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身近な有毒植物に気をつけましょう | 保健科学部 生活化学課 主任技師 佐藤 環 |
はじめに
国内における植物性自然毒による食中毒の発生状況
表1 平成22年〜令和元年の国内における有毒植物による食中毒発生状況 | ||||
植物名 | 間違えやすい植物の例 (厚生労働省「 自然毒のリスクプロファイル 」より) | 事件数 | 患者数 | 死亡数 |
スイセン | ニラ、ノビル、タマネギ | 57 | 195 | 1 |
ジャガイモ | ※親芋で発芽しなかったイモ、 光に当たって皮がうすい黄緑〜緑色になったイモの表面の部分、 芽が出てきたイモの芽及び付け根部分などは食べない。 | 21 | 327 | 0 |
チョウセンアサガオ | ゴボウ、オクラ、モロヘイヤ、アシタバ、ゴマ | 15 | 41 | 0 |
バイケイソウ | オオバギボウシ、ギョウジャニンニク | 15 | 33 | 0 |
クワズイモ | サトイモ | 15 | 30 | 0 |
イヌサフラン | ギボウシ、ギョウジャニンニク、ジャガイモ、タマネギ | 15 | 22 | 10 |
トリカブト | ニリンソウ、モミジガサ | 9 | 17 | 3 |
コバイケイソウ | オオバギボウシ、ギョウジャニンニク | 5 | 13 | 0 |
ヨウシュヤマゴボウ | ヤマゴボウ | 4 | 4 | 0 |
観賞用ヒョウタン | ヒョウタン | 3 | 20 | 0 |
ハシリドコロ | フキノトウ、ギボウシ | 3 | 8 | 0 |
キダチタバコ | カラシナ、カラシ | 2 | 7 | 0 |
ユウガオ | ヒョウタン ※まれに高ククルビタシン含量のユウガオによる中毒もある。 苦みの強いものは摂食しない方がよい。 | 2 | 7 | 0 |
スノーフレーク | ニラ | 2 | 5 | 0 |
ヒガンバナ | ニラ、ノビル、タマネギ | 1 | 2 | 0 |
タガラシ | セリ | 1 | 1 | 0 |
その他(タマスダレ、ヒメザゼンソウ 等) | 16 | 53 | 0 | |
不明 | 4 | 8 | 0 | |
合計 | 190 | 793 | 14 |
植物性自然毒による食中毒の症状
表2 有毒植物の毒成分と中毒症状 | ||
植物名 | 主な有毒成分 | 主な症状 |
スイセン | リコリン | 悪心・嘔吐、下痢 |
ジャガイモ | ソラニン・チャコニン | 下痢、嘔吐、発熱、腹痛、めまい、発語障害、痙攣 |
チョウセンアサガオ | アトロピン・スポコラミン | 口渇、瞳孔散大、心悸亢進、狂騒状態 |
バイケイソウ | プロトベラトリン(アルカロイド) | 嘔吐、下痢、血圧低下、けいれん |
クワズイモ | シュウ酸カルシウム | 皮膚炎、口腔・舌・口唇・咽頭の浮腫、嚥下困難 |
イヌサフラン・グロリオサ | コルヒチン | 嘔吐、下痢、腹痛 |
トリカブト | アコニチン | 嘔吐、下痢、手足の麻痺 |
さいごに
注意
・食用とはっきり判断できないものは、採らない・食べない・ゆずらないようにしましょう。
・家庭菜園や畑を作る際は、食用植物と観賞用の植物等をきちんと分けて育てましょう。
参考文献
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©2013 Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences. |