Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
福岡県保健環境研究所
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水環境
 「アオコ」はその昔,「青粉」という漢字をあてていたように,水面が青色或いは緑色になる現象です。主に藍藻類が原因となるが,まれに,緑藻類やミドリムシ藻類が原因となる場合もあります。日本においてアオコを形成する藍藻は15属55種とされ,細胞内にはっきりとした核を持たない原核生物のシアノバクテリアに分類されます。
 各国で様々なアオコ対策の取り組みがなされている。もっと分かりやすいのは吸引や補集により水表面のアオコを回収する方法である。工大な湖面に対しては労多くして斯う効が少ない。中国などでも回収船を使用しているが、ほとんど効果を上げていないようであった。
 一方,硫酸銅や界面活性剤などの殺藻剤を散布する方法も広く行われている。この方法は比較的制御が容易で結果も分かりやすい反面,大量に化学物質を散布することにより周辺生態系への影響も懸念されるし,水利用の観点からもあまり多用できない。
 この他,紫外線や超音波,発泡等の物理的効果によりアオコを抑制,破壊していく方法もあるが,効果の有効範囲は限定的であると考えられる。
 研究的には,抽水植物や水生植物から放出されるアレロパシー効果物質やウイルスや細菌を活用した手法も報告されている。
 本質的な水環境の面から考えると,アオコ及びミクロシスチンの問題は,すなわち湖沼の富栄養化問題に行き着く。この富栄養化問題の解決には,流入水(流入負荷量)に対する対策と底質からの栄養塩対策,さらに滞留時間を必要以上に大きくしないなど水源管理対策も重要となることから,各関係機関との連携と息の長い対策が必要だと考えられる。
アオコ問題
アオコ回収船による対策
(中国雲南省昆明にて)
植物を利用した水浄化対策
 (中国雲南省昆明にて)
ミクロキスティス (培養株)
『国立環境研究所 微生物系統保存施設』
 水道水源となる湖沼でアオコが大発生すると、ろ過障害や水道水におけるカビ臭の原因となります。更に、世界中の多くの湖沼で富栄養化による有毒アオコの発生が問題となっています。
アオコが作る有毒成分
アオコ対策の取り組み
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 富栄養化した湖沼などではアオコとよばれる藍藻類の大発生がしばしばみられる。このアオコを形成する一部の藍藻類が強力な肝臓毒で,肝臓ガンのプロモータ活性を持つ環状ペプチドのミクロシスチン(MC)を生産することが知られています。
アオコの問題点
 アオコは、水道士水源となる湖沼で大発生した場合、浄水過程におけるろ過障害や水道水におけるカビ臭の原因として知られています。さらに、景観を損なうばかりか、藍藻類の呼吸により水中酸素が消費され、酸欠による魚のへい死やその腐敗による悪臭の原因にもなっている。 
 現在でも、我が国の湖沼水質は改善が進まず、アオコ問題は起きていますが、最近は海外において、より深刻な問題として注目を集めています。特に、経済発展に伴い環境破壊が進むアジア諸国で大きな社会問題となっている。
ミクロシスチンの一例
アオコを作る藻類
左上:ミクロキスティス,右上:オシラトリア
左下;アナベナ,右下:シリンドロスパーモプシス
(写真は国立環境研究所微生物系統保存施設HPより引用)
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アオコ (筑後地方のため池)
アオコ(筑後地方のため池)
ミクロキスティス (筑後地方のため池)
アオコって・・・・