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種の解説

保全対策

哺乳類の多くの種の生息環境は,上記ハビタットに示したように山地の自然林に依存する傾向が強い。樹洞を持つ大径木が育ち,樹林の中に山地渓流が発達しているような自然林を保全することは,希少性の評価に関わらず哺乳類にとって重要である。また,良好なハビタットであっても,一つ一つが小面積で,分断化された状態にならないような配慮も必要である。特殊な環境としての洞窟,河川敷および農耕地や樹林の周辺に拡がる草地は,様々な開発や人の生活形態の変化などにより消失しつつあり,これらの環境の保全も積極的に行う必要がある。また,森林管理の状態によっては生息できる種が限定され,一部の種の個体数増加を招くなど,アンバランスな生息状況を引き起こすことも考えられることから,今後の森林の管理の在り方などを検討する必要がある。更に,アライグマなどの外来種の侵入は,同じ生息空間を占める在来種に悪影響を与えることが予想されることから,これらを野外に持ち込まないように早めの対策や県民への啓発が必要である。

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