福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第22週分(平成18年5月29日から平成18年6月4日)

ヘルパンギーナ

今週は、夏かぜの代表疾患で、現在増加中であるヘルパンギーナについてお話しします。

ヘルパンギーナは、エンテロウイルスの1つであるA群コクサッキーウイルスによっておこる感染症です。患者の年齢は、4歳以下がほとんどで、1歳代にもっとも多くみられます。

2から4日の潜伏期のあと、急な発熱に続いて、口の中やのどに直径1から2mm程度の小さな水疱(すいほう)ができます。水疱はやがて破れて浅い潰瘍をつくります。そのため、のどの痛みや食べ物を飲み込むときの痛みを訴えるようになります。乳児がかかった場合は、ミルクや離乳食をほしがらないといったこともみられます。熱は2〜4日間ほど続いた後、解熱し、その後、やや遅れて、のどの痛みもおさまります。

患者の咳、痰、くしゃみなどによる飛沫で感染しますが、その他にも、このウイルスは腸の中で増殖し便に排泄されるため、おむつや下着、床、椅子、おもちゃなどが汚染されることから、手を介する経口感染も少なくありません。

一般的に、予後は良好ですが、症状があるときには、次のことに注意しましょう。

1.のどの痛みのため、食物・水分摂取が困難になりますが、発熱もありますので、脱水症にならないよう、十分水分をとるようにしましょう。

2.まれに髄膜炎を合併することがありますので、いったん下がった熱がまた上がるようなことがあったり、頭痛を伴ったりする場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

3.症状がおさまっても数週間は便の中にウイルスが出ることがありますので、排便後、食事を作る時、食べる前の手洗いを心がけましょう。


その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。