福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第34週分(平成18年8月21日〜平成18年8月27日)

デング熱−蚊が媒介する感染症(その3)

今回は、蚊が媒介する感染症の3回目として、デング熱のお話しをします。

デング熱は、デングウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)に刺されることにより感染します。媒介する蚊の存在する熱帯・亜熱帯地域、特に東南アジア、南アジア、中南米において多くみられます。現在日本国内での感染はありませんが、海外からの帰国者から、例年、全国で50例前後、報告されています。

3から14日(通常4から7日)の潜伏期の後、突然の発熱で発症し、頭痛、関節痛などを伴います。発症後3から4日後より、胸部、体幹からはじまる発疹が出現し、手足、顔面へ広がります。また、軽い皮下出血が現れることもあります。これらは、通常3から7日程度で消失し、回復します。

一方、一部の患者においては、発熱2〜7日後に、皮下、鼻腔、歯肉などからの出血や、胸腹水がみられる、デング出血熱と呼ばれる重篤な病態をとることがあります。重篤な症状は、発熱が終わり平熱に戻りかけたときに起こることが特徴的です。ショックを伴った例では、適切な治療がなされないと死に至ることがあります。

デング熱を媒介する蚊であるネッタイシマカやヒトスジシマカは、昼間吸血性で、日中いつでも吸血しますが、日の出前後と日没前後の数時間に最も活発になります。デング熱が流行している国に行かれる際には、日中も注意する必要があります。


その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。