福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第44週分(平成18年10月30日〜平成18年11月5日)

インフルエンザの予防接種

今週は、インフルエンザの予防接種についてお話しします。

インフルエンザワクチンは、A型のH1N1、H3N2およびB型の3種類のインフルエンザウイルスに対する混合ワクチンとなっています。わが国では、世界各地および日本国内の流行情報、WHO(世界保健機関)によるワクチン推奨株、国内外のウイルス分離状況などに基づいて、次シーズンの流行ウイルスを予測し、毎年、使うウイルス株を決定します。

インフルエンザは、予防接種法に定められており、予防接種法で規定された対象者は、(1)65歳以上の高齢の方 (2)60歳以上65歳未満であって、心臓、腎臓、または呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活行動が極度に制限される程度の障害を有する方、及びヒト免疫不全ウイルス(HIV)により、免疫の機能に日常の生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方です。

これらの方々は、本人の希望により予防接種を受けることができ、万一副反応が生じた際にも予防接種法に基づいて救済が行われます。上記以外の方々は、任意接種となります。

インフルエンザワクチンの効果については、国内外で研究が行われており、特に高齢者では、予防接種を受けない場合に比べて、死亡が約2割に、入院が約5割に減ると報告されています。

一方、インフルエンザワクチンは比較的副反応の少ないワクチンと考えられていますが、接種部位の発赤、腫脹や発熱、発疹やじんま疹、さらに稀ですが、重篤な副反応としてショックや急性脳脊髄炎がおこることがあります。そのため、接種する際には、接種医と十分相談の上、行ってください。

また、過去の予防接種で接種後2日以内に発熱がみられた方、全身性の発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方、過去に免疫不全の診断がされている方は、接種はしないでください。

ワクチンを接種してから効果が現れるまで約2週間程度かかり、その効果は約5ヶ月間持続すると言われています。接種をされる場合は、インフルエンザが流行する前である、10月下旬から12月初旬に、遅くとも12月中旬までにすませましょう。



  その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。