福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第45週分(平成18年11月6日〜平成18年11月12日)

性器クラミジア感染症 
〜性の健康週間(11月25日から12月1日)〜

11月25日から12月1日は「性の健康週間」です。「性の健康週間」は、性行動の低年齢化、多様化などにより、性感染症が若者を中心に流行している状況をふまえ、予防の重要性について知識を高めることを目的に設けられています。今週は、性感染症の中で最も報告数の多い性器クラミジア感染症についてお話しします。

性器クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという病原体の感染によって引き起こされます。若年層の女性に多く、29歳以下では、男性患者数を上回っています。性行為による感染以外に、感染した妊婦から新生児への産道感染があります。また、口腔性交による咽頭への感染も報告されています。

潜伏期間は2から3週間とされ、男性では、尿道炎を起こすことが最も多く、排尿痛、尿道不快感、掻痒感(かゆみ)などの自覚症状があります。一方、女性では、下腹部の痛みや帯下(おりもの)の増加などが見られますが、一般に自覚症状が乏しく、受診、診断が遅れることがあり、注意が必要です。放置しておくと、子宮頚管炎、骨盤内付属器炎などを起こし、不妊、子宮外妊娠、流産の原因ともなります。また、妊婦の感染は、新生児のクラミジア産道感染の原因となり、新生児肺炎や結膜炎を起こします。

治療には、抗菌薬が使用されますが、パートナー間でお互いに感染させるピンポン感染があるため、両者の治療を同時に行うことが重要です。

性感染症はコンドームを適切に使用することで多くは予防できます。大切なことは、誰でも感染する可能性があることを理解し、自らが感染を予防することです。

「性の健康週間」及び12月1日の「世界エイズデー」に関連して、福岡県内では様々なイベントが開催されます。また、この期間前後には、通常行っている無料・匿名のエイズ検査を、一部の保健所では時間を拡大して行います。保健所によって検査日や時間帯が違うので、事前に電話等で確認をして行くことをおすすめします。キャンペーン又はエイズ検査のお問い合わせは、福岡県健康対策課(092-651-1111 内線3137)まで。


  その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。