福岡県感染症発生動向調査情報

平成18年第46週分(平成18年11月13日〜平成18年11月19日)

エイズ(後天性免疫不全症候群) 
〜12月1日は世界エイズデーです〜

第46週の感染症発生動向調査情報では、感染性胃腸炎が連続して増加中です。なかでも、ノロウイルスの施設等での集団発生が国内各地で報告されています。

12月1日は、世界エイズデーです。これは、WHO(世界保健機関)が、世界的レベルでのエイズまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として定めたもので、毎年世界中で、また国内でも、この日に合わせて、様々なエイズに関する啓発活動が実施されています。そこで、今回はエイズについてお話しします。

エイズ(AIDS)とは、後天性免疫不全症候群の略称で、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染によって起こり、身体を病気から守る免疫系が破壊され、さまざまな感染症や悪性腫瘍などにかかる病気です。未治療の場合、感染後、約半数の人が10年以内にエイズを発症すると言われています。

日本でのHIV感染者の報告数は、平成8年以降増加が続いており、昨年は、日本国籍、外国国籍合わせて新たに832件と過去最高の報告数となっています。特に、日本国籍男性の増加が顕著で、一昨年(636件)を上回り、過去最高の709件となっています。

HIVの主な感染経路は、性的接触による感染、血液による感染、母子感染の3つで、全体の約8割が、性的接触によるものです。HIVに感染しても、すぐに症状がでるわけではありません。しかし、症状がなくても性行為によって他人にうつす危険性はあり、性行為におけるコンドームの適切な使用は、エイズ予防にとって有効な手段です。

握手や抱擁、会話、咳、くしゃみ、食器の共用、コップの回し飲み、プール、風呂で感染することはありません。
エイズ治療は格段に進歩しており、薬で免疫機能を良好に保つことも可能になってきました。また病気の程度によっては医療費の助成が受けられる制度や患者・感染者を支えるボランティア団体もあり、HIV感染者・エイズ患者のために、このような社会支援が整いつつあります。

12月1日の「世界エイズデー」に関連して、福岡県内では様々なイベントが開催されます。また、この日前後には、通常行っている無料・匿名のエイズ検査を、一部の保健所では時間を拡大して行います。保健所によって検査日や時間帯が違うので、事前に電話等で確認をして行くことをおすすめします。キャンペーン又はエイズ検査のお問い合わせは、福岡県健康対策課(092-651-1111 内線3137)まで。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。