福岡県感染症発生動向調査情報

平成19年第10週分(平成19年3月5日〜平成19年3月11日)

風しん

今週は、春先から初夏にかけて多く報告される風しんについてお話しします。

風しんは、風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。潜伏期間は2から3週間で、主な症状として発疹、発熱、リンパ節の腫れ(特に耳の後部、後頭部、頚部)が認められます。発疹は、多くの場合、紅く、小さく、皮膚面よりやや隆起して全身にみられます。

ウイルスに感染しても明らかな症状がでない人が、15から30%程度います。また、一度かかると免疫ができるため、大部分の人は生涯、風しんにかかることはありません。

風しんウイルスは患者さんの飛まつ(唾液のしぶき)などによってほかの人に感染します。発疹がでる2から3日前から、発疹がでた後の5日くらいまでの患者さんは、感染力があると考えられています。感染力は、麻しん(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほど強くありません。

基本的には予後が良好な疾患ですが、急性脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が、二千人から五千人に一人くらいの割合で発生することがあります。また、大人がかかると、発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、関節痛がひどいことが多いとされています。さらに、妊婦、特に妊娠初期の女性がかかった場合、生まれてくる赤ちゃんが、「先天性風しん症候群」という難聴、心疾患、白内障をもって生まれてくる可能性があります。

風しんの定期予防接種は、麻しんと合わせて、1歳児と小学校就学前1年間(就学前年度4月1日から3月31日まで)の2回接種です。今年4月に小学校に就学される方で、まだ2回目の麻しんと風しんの予防接種を接種していない方がいましたら、3月31日までが期限ですので、かかりつけ医と相談の上、接種しましょう。

その他、詳細情報は、福岡県感染症情報(http://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/)として、情報提供していますので、ご活用ください。