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 外来種の対策には、多くの費用・時間・労力が必要になるため、被害が起こらないように未然に予防することが非常に大切です。予防を行うためには、私たち一人ひとりが、「外来種被害予防三原則:入れない・捨てない・拡げない」を意識して生活することが必要不可欠になります。つまり、生態系や人間活動に悪影響を及ぼす可能性がある外来種を地域に「入れない」、ペットとして飼っている動物や観賞用として植えている植物は「捨てない」、一度地域に定着してしまった外来種はまわりの地域に「拡げない」ための対策を行う、ということが大切なのです。

 私たちにできること
 福岡県では、外来種による被害を予防するための取組を進めています。例えば、子どもたちにも理解できる普及啓発パンフレットの作成や、県民参加型生きもの調査における外来種の観察などを行っています。また、平成28年度末には、県内に定着している外来種の生態的特徴や分布状況、駆除の実現可能性などを考慮した、県独自の侵略的外来種リストを発表する予定です。当所では、このリスト作成のための分布調査や生態調査、効率的な対策を実施するための調査研究を進めています。



 外来種に対する県の対策
 福岡県における外来種の現状
 国における外来種対策
 外来種とは
 福岡県では、平成28年6月時点で、19種類(20種)の特定外来生物が確認され*、そのうち16種類(17種)は定着が確認されています。定着が確認されている種としては、動物ではアライグマ、ガビチョウ、ソウシチョウ、ウシガエル、カダヤシ、オオクチバス、ブルーギル、ゴケグモ属(セアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ)の計8種類(9種)、植物ではナガエツルノゲイトウ、アレチウリ、オオフサモ、ブラジルチドメグサ、オオキンケイギク、ナルトサワギク、ミズヒマワリ、ボタンウキクサの計8種です。これらのうち、アライグマやセアカゴケグモ、ブラジルチドメグサなどは分布が急速に拡大しており、対策が急がれています。また、特定外来生物に指定されていない種であっても、ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ、マツノザイセンチュウ、オオブタクサ、ホテイアオイのように、県内の在来生態系に悪影響を与えると考えられる生物も多く生息・生育しており、対策が必要になっています。

【参考リンク】
 * 福岡県内で確認された特定外来生物
  http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kennaikakuninngairai.html

 
 福岡県で確認されている特定外来生物(ツマアカスズメバチは未定着)


 また、一般的に問題を引き起こす外来生物というと、海外から持ち込まれた生物が想像されますが、近年では、国内の他地域から持ち込まれた生物、すなわち「国内由来の外来種」も問題になりつつあります。例えば、筑後川や矢部川では、琵琶湖淀川水系から持ち込まれた淡水魚のハスが増加し、アユやオイカワなどを捕食していることが報告されています。

 
 矢部川水系のハスとその胃から検出された在来水生動物

 国の外来種対策の一つとして、平成17年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)*1」という法律が施行されました。この法律は、海外起源の外来種の中でも、生態系や人の生命・身体、農林水産業への被害が大きいものについて、輸入や飼育等を制限する法律です。特に被害が大きい外来種の中から特定外来生物が指定され、無許可での飼育・栽培、生きたままの運搬、放流・放逐などが禁止されています。平成28年10月時点で、132種類の動植物が特定外来生物に指定されています。また、特定外来生物とは別に、被害が生じる疑いがある、または実態がよく分かっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定され、輸入する場合は事前に主務大臣に届出を行う必要があります。
 さらに平成27年3月には、外来種問題の深刻化を背景に、日本における外来種対策の総合戦略として「外来種被害防止行動計画*2」が策定されました。本計画では、外来種問題の概要や、対策の基本的な考え方、国・地方自治体などの各主体の役割と行動指針について取りまとめられています。また、外来種の中でも特に悪影響の大きい種類を明確にするため、本計画と同時に、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)*3」が公表されました。このリストには429種類の動植物が掲載されており、国内での定着状況や第一次産業における利用状況などに鑑み、以下の3つに区分されています。

 ・定着を予防する外来種(定着予防外来種):101種類
 ・総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種):310種類
  (総合的に対策が必要な外来種は、対策の優先度の高さによって、緊急対策外来種・重点対策外来種・その他の総合対策
   外来種の3つに細区分されています)
 ・適切な
管理が必要な産業上重要な外来種(産業管理外来種):18種類

【参考リンク】
 *1 日本の外来種対策
   http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
 *2 外来種被害防止行動計画
   http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/actionplan.html
 *3 生態系被害防止外来種リスト
   http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html




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 外来種とは、もともとその地域にいなかった生物のうち、他の地域から意図的・非意図的を問わず、人為的に持ち込まれた生物のことを言います。一方で、その地域にもとから生息・生育していた生物を在来種と言います。外来種のうち一部の種類は、侵略的外来種と呼ばれ、捕食や競合などによる生態系への悪影響、交雑による遺伝子のかく乱、農林水産物の食害などによる人間活動への被害をもたらしています。



生物多様性
外来種