福岡県保健環境研究所
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
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ジェネリック医薬品(後発医薬品)
 特許切れの医薬品を別のメーカーが製造するジェネリック医薬品(後発医薬品、Generic drug、以下GE)は、先発医薬品に比べて薬価が安く設定されます。平成18年当時の日本におけるGEの普及率(数量ベース)は、欧米などの主要国の約50%に対して低く、約17%でした。平成19年に厚生労働省は、医療保険財政の適正化ならびに患者負担の軽減を目的として「平成24年度までにGEのシェアを30%以上にする」目標を掲げ、GEの普及促進を図ることとしました(後発医薬品安心使用促進アクションプログラム)。福岡県も平成20年4月に策定した「福岡県医療費適正化計画」の中でGE普及率の数値目標を30%以上としました。使用促進のPRなどが行われていますが、平成23年9月時点での日本におけるGEの普及率(数量シェア)は、22.8%と報告されています。
 普及率が伸びない要因の一つとして、  GEの品質や安全性に関する情報が医療現場(医師、薬剤師等)や患者側に十分に提供・周知されていないことが考えられます。GEは生物学的同等性試験と呼ばれる先発品との厳密な比較試験の結果、品質や有効性、安全性が同等であることが確認され、薬事法に基づき製造が承認されていますが、品質に対する十分な理解が得られていないのが実情にあるようです。厚生労働省はGEの品質に対する不安を解消するために、これまでの承認審査に加え、新たに有識者・専門家による第三者機関「ジェネリック医薬品品質情報検討会」を国立医薬品食品衛生研究所内に設けました。そしてGEの品質問題に関する情報(研究論文や学会発表、相談窓口に寄せられた意見・苦情等)を収集し、それらの内容を科学的に検証して、必要であれば品質試験を実施し、試験結果の公表を行っています。
  医薬品の品質検査について−溶出試験法−
 医薬品の品質試験方法のひとつに「溶出試験法」があります。溶出試験法は、製剤から有効成分の溶け出す量や速度を機械的に測定する方法で、その溶出のしかたが他の医薬品とどのように異なるか比較したり、製剤ごとに決められた規格(溶出試験規格)に適合するか調べたりすることができます。
 溶出試験法は、医薬品メーカーの製品開発で医薬品の溶けやすさを調べたり、品質管理で検査したりする場合に用いられます。また、行政機関などが市販の医薬品の品質が確保されているか、買い上げ検査を行う場合などにも使用されます。
 当研究所では厚生労働省の委託事業として溶出試験機を用いて、市販医薬品の溶出試験を実施しています。溶出試験に用いる全自動型溶出試験機(大日本精機(株)製RT-3型)は錠剤、カプセル剤、顆粒の各溶出試験に対応し、6つの溶出槽を備え、同時に6つの製剤について溶出試験を行うことができます。あらかじめ37℃に温めた液体に医薬品を投入し(溶出開始)、撹拌して溶け出してきた医薬品成分の濃度を経時的に測定することができます。(写真2枚)溶出試験の結果の一例を図に示します(図)。これは同じメーカーのニフェジピン徐放錠(25mg)を6錠とり、溶出試験を行った結果です。横軸は、試験開始からの時間、縦軸は医薬品成分の溶出率を百分率で示したものです。例えば、25 mgの有効成分を含む錠剤を溶出試験したとき、「溶出率100%」とは有効成分25mgが全て液体に溶け出したことを示します。この錠剤の溶出規格は①溶出開始から30分で20?50%、②60分で35?65%、③12時間で70%以上であり、試験を行った6錠とも溶出規格を満たしていることが分かりました。
 当研究所では、溶出試験法によって得られた医薬品の品質情報を適切に提供することで、流通する医薬品の安全性確保に役立てたいと考えています。
  リンク先
 厚生労働省ホームページ:「ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進について」
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/2012/03/01.html
(独)医薬品医療機器総合機構ホームページ:「ジェネリック医薬品品質情報」
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/generics-info/0004.html
 福岡県ホームページ:「福岡県ジェネリック医薬品使用促進協議会」
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/b02/gege.html

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