Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
福岡県保健環境研究所
092-921-9940
〒818-0135 福岡県太宰府市向佐野39
年報
アクセス
食品衛生
/ 食中毒
 自然界に生息している植物や動物には、有毒成分(自然毒)を持つものが数多く知られています。これらを含む食品を誤って摂取することで起きる食中毒を自然毒食中毒といいます。自然毒は、動物性自然毒と植物性自然毒に分けることができます。
毒キノコとは(原因・潜伏期間・症状)
 キノコ名  原因物質 潜伏期間  症状 
 ツキヨタケ イルジンSなど 20分〜2時間 嘔吐、下痢など
 クサウラベニタケ ムスカリン、ムスカリジンなど 20分〜2時間 嘔吐、下痢など
 ニガクリタケ ファシキュリン酸など 20分〜2時間 嘔吐、下痢、死亡など
 テングタケ イボテン酸、ムスカリン類など 30分〜1時間 異常な興奮、散瞳、死亡など
 シビレタケ シロシビン類、シロシン類など 30分〜1時間 幻覚、言語障害、意識不明など
 ドクツルタケ  アマトキシン類、ファロトキシン類 6時間〜10時間以上 コレラ様症状、肝不全、腎不全、死亡など
 カエンタケ トリコテセン類、
サトラトキシンHなど
30分〜2時間 悪寒、粘膜性びらん、循環器不全、
脳障害、死亡など
 原因食品:フグ
 症 状 :フグ毒による中毒症状は食後20分から3時間程度の短時間で現れます。テトロドトキシンは神経毒で有り、軽度
      の場合には口唇部や舌端の痺れなどが現れます。重症の場合には全身麻痺や意識消失がみられ死亡してしまいます。
      フグ毒による食中毒では人工呼吸などの適切な処置が施されれば多くの場合死亡することはありません。しかし、
      現在有効な治療法や解毒剤は見つかっていません。
 対 策 :フグ毒による食中毒は素人が家庭で調理したことに起因するものが主要です。素人判断での調理は絶対にしない
     でください。
フグ毒(テトロドトキシン)とは
 見た目が食用植物とよく似ていることから、間違って有毒植物を食べてしまうことが主な原因です。有毒植物と食用植物の識別が非常に困難であるため、安易に採って食べたり、人にあげたりしないようにしましょう。また、家庭菜園や園芸では食用と観賞用の植物を分けて植えましょう。
 その他、食用のジャガイモであっても、栽培、保管及び調理方法に留意し、芽や未熟な緑色部分(皮など)に含まれる有毒成分(ソラニン類)を食べないようにしましょう。
 いずれも見分けに迷ったら、最寄りの保健所にご相談ください。
 日本国内では約4000〜5000種類のキノコが存在していると言われていますが、食用可能なキノコは約100種類、食用不可能なキノコ(毒キノコ)は200種類以上、それ以外のキノコは毒性の有無も分かっていません。
原因食品・症状・対策
copyright©2018 Fukuoka Institute Health and Environmental Sciences all rights reserved.

動物性自然毒による食中毒
植物性自然毒による食中毒
テトロドトキシン
 フグに含まれるテトロドトキシンは、強力な毒性を持っており、1 mg程度で致死量に達してしまいます。
 熱に安定であり300℃以上に加熱しても分解しないため、一般的な調理で毒素がなくなることはありません。

自然毒による食中毒
表 主な毒キノコの原因物質・潜伏期間・症状
 動物性自然毒による食中毒事例の原因は主に魚介類に由来しています。特に、フグ毒による中毒は症状が重く、死亡することもあります。
参考リンク
 植物性自然毒による食中毒事例の原因はキノコと高等植物に大別されています。キノコは生物学的には菌類ですが、食中毒の統計では植物として扱われています。いずれも見た目や名前から食用植物と間違えたり、正確な知識ではなく誤った迷信により食用と判断したりして有毒成分を含む植物を食べてしまうことで生じている食中毒です。家庭菜園において、食用植物の近くに混ざって生えていたことで、有毒植物を一緒に食べてしまった例もあります。
 植物性自然毒による食中毒の発生件数は少ないですが、症状が重いと死に至ることもあるため、軽視できない食中毒です。
対策
トップページ
研究所紹介
研究概要
啓発資材
リンク集
参考リンク