近年福岡県における調査では、食品から検出された各残留農薬等の一日摂取量が、健康に影響を及ぼす量ではないことがわかってきています。
食生活は地域や時代によっても違います。このため、今後も調査を継続し、食の安全を確保していく必要があります。
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
福岡県保健環境研究所
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調査には、マーケットバスケット方式を用いています。
マーケットバスケット方式とは、スーパー等で売られている食品を購入し、その中に含まれている残留農薬等の量を分析して測り、その結果に国民健康・栄養調査*1に基づく食品摂取量を乗じて、農薬等の一日摂取量を求めるものです。求めた農薬等の一日摂取量は、一日摂取許容量(ADI)(mg/kg体重/日)*2と比較を行う等により、健康への影響を評価します。
*1:健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき、国民の身体の状況・栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的として毎年実施するものです。
*2:無毒性量(多くの動物実験を行った結果、健康にまったく悪影響が出なかった量)をさらに安全係数100で割った値のことをいいます。ヒトがある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量と考えられています。日本では、各農薬等のADIの設定は食品安全委員会が行っています。
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例)調査の結果、チアメトキサムの一日摂取量が0.0012mgだった場合
・チアメトキサムのADI:0.018mg/kg体重/日
・体重50kgの人が食べた場合
食品中に残留する農薬等の摂取量調査
体重1kgあたりの摂取量:0.0012mg/日÷50kg=0.000024mg/kg体重/日 
ADIに対する割合:0.000024mg/kg体重/日÷0.018mg/kg体重/日×100= 0.13%
福岡県保健環境研究所では、県民の方々の食の安全を守るため、福岡県における「残留農薬等の一日摂取量調査」を行っています。
「残留農薬等の一日摂取量調査」とは、人が日常の食事を通じてどの程度の残留農薬等を摂取しているかについて調べることです。