Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
福岡県保健環境研究所
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 ウイルス性食中毒とは、病原性を有するウイルスによって汚染された食品等を経口的に体内に取り入れた結果、数日から数週間の潜伏期間を経て発症する急性胃腸炎障害の総称です。主症状は嘔吐、下痢、腹痛及び発熱等で、時に黄疸等の急性肝炎障害を示すこともあります。多くは数日で回復しますが、小児、高齢者や慢性疾患のある人では重症化することもあります。
食中毒を起こすウイルスは何種類かありますが、主な原因として知られているのは、ノロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス、アイチウイルス、アストロウイルス及びサポウイルスなどです。ウイルス性食中毒の9割以上がノロウイルスによるもので、特に2006年及び2012年の冬季はノロウイルスが大流行しました。ノロウイルスは10個〜100個の少量の摂取で食中毒を起こすため、患者の糞便や嘔吐物が汚染源となることが多いと考えられます。A型ウイルスは、ウイルスに汚染された生水や二枚貝等の魚介類を摂取することにより感染します。E型肝炎ウイルスは、ウイルスに感染したシカやイノシシなどの肉を摂取することにより感染します。一般には慢性化することはなく、後遺症を残すこともありませんが、時に重篤化することがありますので、注意が必要です。
 ウイルス性食中毒の検査は、患者の糞便や嘔吐物、食品残品から、PCR(Polymerase Chain Reaction、ウイルス遺伝子の特定の領域のみを増幅して検出する)を用いてウイルス遺伝子を検出する方法、電子顕微鏡でウイルス粒子そのものを観察する方法等があります。当課においては主に前者の方法を用いて原因究明を行い、その後の拡大防止や予防のための情報提供等を行っています。食中毒発生時には、患者さんの糞便や嘔吐物を次亜塩素酸ナトリウム等で十分に消毒することが大事です。なお、糞便や嘔吐物中には1gあたり数億個程度のウイルスが存在すること、症状が消失しても糞便中への排泄が長く続く場合があることから、特に調理従事者は二次感染を起こさないように注意する必要があります。そのためには手洗いを励行し、タオルを共用しないことなどが重要です。さらにウイルス性食中毒において有効な抗ウイルス剤はないので、ウイルスが異なっていても治療法はほぼ同じです。嘔吐や下痢による脱水を防止するために水分を補充すること、脱水や全身倦怠が強いときは点滴による補液療法等の対症療法が主体です。

【参考ページ】
 厚生労働省:食中毒の原因(細菌以外)http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/03.html
 内閣府食品安全委員会:食中毒予防のポイント http://www.fsc.go.jp/sonota/shokutyudoku.html
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