福岡県保健環境研究所
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
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PFOSやPFOAは、優れた親水性(水に溶けやすい)と親油性(油に溶けやすい)を持つ界面活性剤として半導体製造やメッキ処理における表面処理剤や泡消火剤へ使用されていました。また、水や油をはじく(撥水撥油性)という独特の性質を持つ高分子の有機フッ素化合物は、その原料の一つとしてPFOSやPFOAが使用されていました。
PFOSやPFOAは、平成17年ごろから生物への蓄積性が明らかになり、メーカーの自主的な生産中止や代替品への転換が進みました。PFOSは、図2に示すように平成20年度では国内で約6トンが使用されていましたが、平成22年度に第一種特定化学物質に指定されたため、それ以降、例外を除き国内の製造、輸入が禁止されました。PFOAは、平成22年度に国内で99トンが使用されていましたが、前述の生産中止と代替品転換により生産量は減少し、平成29年度には国内で使用されなくなりました。
有機フッ素化合物の持つ他の物質にない特徴は、分子内のフッ素と炭素の結合が非常に強く、安定していることが一因です。しかしながら、その強固な安定性のため環境中では容易に分解されず、残留することが知られています。そのため、海洋や北極を含む地球上の多くの地点で、その環境やそこに生息する生物においてPFOS及びPFOAが検出されています[3]。またPFOSは、生物体内に蓄積し、生物濃縮する可能性を示す研究も報告されています[3]。
参考資料
[1] 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第5次答申)、中環審第1120号、
中央環境審議会
[2] 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(通知)、環水大水発第2005281号、
環水大土発第2005282号、環境省水・大気環境局長
[3] Technical Fact Sheet - Perfluorooctane Sulfonate(PFOS) and Perfluorooctanoic acid(PFOA),
U.S. EPA, 2017