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図1 ノロウイルスの電子顕微鏡写真
(当所にて撮影)

図2 ノロウイルスの生活環(ライフサイクル)
ノロウイルス胃腸炎にかかったら
 ノロウイルス胃腸炎に対するワクチンや特効薬はなく、治療は対症療法です。つまり、治療は脱水症状に対する 治療や整腸などに限られます。特に乳幼児や高齢者では下痢による脱水症状を生じることがあるため、水分補給を 十分に行い、早めに医療機関を受診しましょう。

ノロウイルス胃腸炎の予防
 ○十分な手洗い
  調理の前、食事の前、トイレに行った後などに、石けんを十分泡立てて、流水でしっかりすすぎましょう。
  手洗い後は清潔なタオル又はペーパータオルで拭きましょう。
  下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換を行った場合は、手袋をしていたとしても十分に手洗いをすることが必要です。
 ○調理台や調理器具の消毒
  ノロウイルスの消毒は塩素系の漂白剤又は加熱が有効です。エタノールや逆性石けんはあまり効果がありません。
  ※塩素系の漂白剤の使用に当たっては「使用上の注意」をよく確認して下さい。(漂白剤の調整法)
  まな板や包丁などの調理器具は85℃で1分間以上加熱することが有効です。
  カキなどの二枚貝は中心部まで十分に加熱調理しましょう。

参照URL
厚生労働省 感染性胃腸炎(特にノロウイルスについて)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus/
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感染性胃腸炎とは
 感染性胃腸炎は、細菌やウイルスなどによる腹痛・下痢・嘔吐等の胃腸炎症状を 起こす病気の総称です。
 原因となるウイルスでは、「ノロウイルス」が最も多く、その他に「ロタウイルス」、「サポウイルス」、 「アデノウイルス」などがあります。

ノロウイルスとは
 ノロウイルスは、主に冬季(11月から2月)に流行しますが、年齢を問わず、 一年を通じて感染します。感染力がきわめて強く、10個〜100個のウイルス粒子でも感染が成立すると考えられて います。感染経路は、汚染された食材の摂取による感染が多いといわれますが、空気中に存在する飛沫を吸い込む ことによる感染や接触感染などさまざまな感染経路があります。24〜48時間の潜伏期間を経て突然の吐気・嘔吐を 発症し、下痢の発症へと続きます。嘔吐は小児に多く、下痢は大人に多いといわれています。症状は1〜3日で治まり ますが、症状が治まってもノロウイルスは糞便中にしばらく排泄されており、40日間も排泄されたという調査結果も あります。(参考資料:IASR 2010年11月, Vol.31, p319-320) 免疫が低下している人や基礎疾患のある人は、症状が長引きやすく、重症化しやすいため注意が必要です。また、 感染しても症状がでない不顕性感染の割合は30%程度といわれています。

ノロウイルスによる感染性胃腸炎に注意してください!
保健科学部 ウイルス課 主任技師 吉冨 秀亮   

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