福岡県保健環境研究所
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有機フッ素化合物PFAS (Per- and PolyFluoroAlkyl Substances)について 廃棄物課

PFASについて

 PFASとは、有機フッ素化合物のうち、ぺルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称のことです。PFASは、10,000種類以上の物質があると言われています(図1)。





  図1 有機フッ素化合物 PFASについて1)


主な用途2)

有機フッ素化合物は、撥水・撥油性及び熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、そのような物質は、撥水・撥油剤、界面活性剤及び半導体用反射防止剤等の幅広い用途で使用されています。
 PFASの中でもPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)及びPFOA (ペルフルオロオクタン酸)は幅広く使用されてきました。具体的には、PFOSは半導体用反射防止剤・レジスト、金属メッキ処理剤及び泡消火薬剤等に、PFOAはフッ素ポリマー加工助剤及び界面活性剤等に使用されてきました。

特性2)

 PFOS、PFOA及びPFHxS (ペルフルオロヘキサンスルホン酸)は(図2)、難分解性、高蓄積性及び長距離移動性という性質があるため、世界中に広く残留していることが懸念され、国際的にはPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の対象物質に指定されており、廃絶等の対象となっています。国内ではPFOS、PFOA及びPFHxSが「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)で第一種特定化学物質に指定されており、製造または輸入の許可(原則禁止)、使用の制限等が規定されています。


              図2 PFOS、PFOA及びPFHxS

健康影響2)

 PFOS及びPFOAは、動物実験では肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。また、人においてはコレステロール値の上昇、発がん及び免疫系等との関連が報告されていますが、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのかについては十分な知見はありません。そのため、現在も国際的に様々な知見に基づく基準値等の検討が進められています。

水道水について3)

 水道法では、水道水について水質管理目標設定項目としてPFOSとPFOAの合算値で50 ng/L以下とする暫定目標値を定めています。

環境水について3)

 水質汚濁防止法では、公共用水域や地下水について人の健康の保護に関する要監視項目としてPFOSとPFOAの合算値で50 ng/L以下とする指針値(暫定)を定めています。
 現在、環境省では全国的に公共用水域や地下水におけるPFOS及びPFOAの調査が進められており、令和4年度調査結果では公共用水域の876地点中37地点で、地下水の382地点中74地点で暫定目標値を超過していました。なお、福岡県内の公共用水域の83地点、地下水の6地点を調査しましたが、指針値(暫定)の超過は確認されませんでした。

参考資料

[1] Interstate Technology & Regulatory Councilホームページ (2024/12/19 アクセス)
  https://pfas-1.itrcweb.org/2-3-emerging-health-and-environmental-concerns/
[2] 環境省ホームページ PFOS、PFOAに関するQ&A集(2024/12/19 アクセス)
  https://www.env.go.jp/content/000242834.pdf
[3] 環境省ホームページ 令和4年度公共用水域及び地下水のPFOS及びPFOA調査結果一覧
   (2024/12/19 アクセス)
  https://www.env.go.jp/content/000212639.pdf

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