福岡県保健環境研究所
Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences
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 インフルエンザウイルスは日本では毎年12月から4月ごろまで流行し、年齢や性別を問わず感染するウイルスです。「インフルエンザ」はインフルエンザウイルスの感染によって起こる病気です。「かぜ」とは原因も症状も異なり、インフルエンザのほうが症状は重く、急激に悪化します。非常に強い感染力を持ち、流行すると多くの人に短期間で感染拡大します。インフルエンザウイルスにはA型,B型,C型の3種類があり、現在の流行はA型とB型が中心となっています。A型はおもに11月から2月ころまで、B型は3月から4月に流行します。A型のほうが症状が重くなりやすく、2009年に世界中で流行したインフルエンザウイルスもA型でした。

症状:発症から3日間ほど38℃以上の高熱や筋肉痛、関節痛、倦怠感などの全身症状が現れ、その後、咳や痰(たん)などの気道症状などが現れます。「かぜ」とは異なり、発熱が高いことと、全身症状があること、急激に発症することが特徴です。

治療・予防:治療薬は内服薬や吸入薬、点滴薬があります。予防のためにワクチン接種が有効です。ワクチンによって得られた免疫は約半年かけて徐々に減少するため、ワクチン接種は毎年必要です。ワクチン接種はインフルエンザウイルスが流行する12月より前におこなっておくことが望ましいです。近年、効果的な治療薬が使われるようになり、症状が短期間で治まるようになりました。しかし、症状が治まってもウイルスは排出されているため、周りのひとに感染を広げないためにも、解熱後2日間程度は自宅で療養することが望まれます。

【参考ページ】
 厚生労働省 インフルエンザの総合ページ
 国立感染症研究所 感染症疫学センター インフルエンザのページ


中国における人での鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)感染症に関するQ&A
(WHO作成2013年4月5日更新) (邦訳:国立感染症研究所)


1. インフルエンザA(H7N9)ウイルスとは何ですか?
インフルエンザH7 亜型ウイルスは、通常、鳥の間で循環しているインフルエンザウイルスのグループです。インフルエンザA(H7N9)ウイルスはH7 亜型ウイルスのサブグループの一つです。複数のH7 亜型ウイルス(H7N2、H7N3 およびH7N7)の人への感染が時折発見されてきましたが、H7N9 ウイルスの人への感染は中国からの最近のレポートがあるまで報告されていませんでした。

2. インフルエンザA(H7N9)ウイルスによるヒト感染の主な症状は何ですか?
これまでのところ、この感染症を有する患者は、重症肺炎を患っていました。症状には、発熱、咳、息切れが含まれます。ただし、情報はまだインフルエンザA(H7N9)ウイルスの感染が起こしうる病気として考えられる範囲に限ったものです。

3.なぜこのウイルスは現在、人間に感染しているのですか?
これまでの感染患者における曝露源が分かっていないので、我々はこの質問に対して、まだ答えを知りません。しかし、分離されたウイルスの遺伝子解析の結果からは、ウイルスは鳥由来であるものの、哺乳動物に適応の兆しを見せていることを示唆しています。これらの適応には、ウイルスが哺乳動物の細胞に結合する能力と、(鳥のそれよりも低くなっている)哺乳類の通常の体温に近い温度で増殖しうる能力が含まれます。

4.インフルエンザA(H7N9)ウイルスは、インフルエンザA(H1N1)ウイルス、およびインフルエンザA(H5N1)ウイルスとは違うのですか?
はい。すべての3 つのウイルスはインフルエンザウイルスですが、互いに異なっています。H7N9 とH5N1 は、時には人々に感染する動物のインフルエンザウイルスであると考えられています。H1N1 ウイルスは、人に通常感染するものと、動物に通常は感染するものに大別できます。

5.人々はどのようにインフルエンザA(H7N9)ウイルスに感染したのでしょうか?
確定例の中には、動物や動物のいる環境との接触があった者がいます。ウイルスが上海の市場のハトから見つかっています。人がどのように感染したかは分かっていません。動物から人への感染の可能性、同様に人から人への感染の可能性に対して調査が進められています。

6.インフルエンザA(H7N9)ウイルスの感染をどのように防ぐことができますか?
感染源と感染経路の両方が不確定ではありますが、感染全般を防ぐために基本的な衛生慣行に従うことが賢明です。その中には手指衛生や咳エチケット(原文では「呼吸器の衛生」)と食品安全対策が含まれます。

手指衛生:
・以下のような時には手を洗いましょう:
? 食事を用意する前、用意している間、その後。
? 食べる前。
? トイレを使用した後。
? 動物の世話をしたり、動物の排泄物を処理した後。
? 手が汚れている時。
? 家人が病気になりお世話をする時。
手指衛生は、また、(汚染面への接触から)自分自身への感染伝播を予防します。これらは、医療機関においては、患者に対して、あるいは医療従事者や他の人への感染伝播を防ぐことにつながります。
・肉眼的に汚れている場合には、石けんと流水で手を洗いましょう。そうでない場合は、石鹸と水で手を洗ったり、アルコール製剤による手指のクリーナーを使用しましょう。

咳エチケット:
・咳やくしゃみをするときには、医療用マスク、ティッシュペーパー、(服の)袖、または曲げた肘で口と鼻を覆いましょう。その直後に、蓋を閉じることの出来る容器に使用されたティッシュペーパーを捨てましょう。気道分泌物との接触後には、手指衛生を行いましょう。

7.肉(例:鶏肉や豚肉製品)を食べることは安全ですか?
インフルエンザウイルスはよく調理された食品からは伝染しません。なぜならば、インフルエンザウイルスは通常の加熱調理温度では(食品の全ての部分で70℃に達する、ぐつぐつ煮る、ピンクの部位がない)で不活化するので、家禽や狩猟鳥を含み、適切に準備され、調理された肉を食することは安全です。病気の動物や病死した動物を食べてはいけません。アウトブレイクが発生している地域では、適切に調理が行われ、食事の準備が適切に行われていれば、肉製品は安全に消費することができます。生の肉や、未調理の血液を用いた料理の摂食は、高いリスクとなりますのでお勧め出来ません。

8.インフルエンザA(H7N9)ウイルス用のワクチンはありますか?
インフルエンザA(H7N9)感染予防のためのワクチンは現在ありません。しかし、ウイルスはすでに最初の患者から分離され、特徴が分かってきています。ワクチン開発の最初のステップは、ワクチンに用いることができる候補となるウイルス株の選択です。WHO は、パートナーと協力して、最良の候補ウイルスを識別するために利用可能なインフルエンザA(H7N9)ウイルスの特徴を明らかにしていきます。そうして、ワクチンが必要となった場合に、これらの候補ワクチンウイルスは、ワクチンの製造に用いることができます。

9.インフルエンザA(H7N9)感染症の治療法はありますか?
中国で行われた臨床検査の結果からは、インフルエンザA(H7N9)ウイルスは、ノイラミニダーゼ阻害剤(オセルタミビルおよびザナミビル)として知られている抗インフルエンザ薬に感受性があることが示されています。これらの薬は病気の過程で早期に投与される場合、
季節性インフルエンザウイルスとインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染に対して有効であることが判明しています。ただし、現時点では、H7N9 感染症の治療のために、これらの薬剤を使用した経験はありません。

(参考)
英文(WHO):http://www.who.int/influenza/human_animal_interface/faq_H7N9/en/index.htmll
日本語(国立感染症研究所):http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/2273-idsc/3394-h7n9-qa.html

【インフルエンザA(H7N9)の関連リンク】
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